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特別展について

特別展

 一階の展示室では、化石・陶磁器などジャンルを問わず、さまざまな展示会が行われています。

 ここは、一般の収集家や研究者の方の長年の成果を発表する場となっていて、4カ月ごとに色々な展示会を行っています。

運営方針(昭和45年 荒木集成館開館記念展パンフレットから)

 社会人の中には趣味の段階を越えた尊い研究に余暇の善用に励げんでおられる方々の多い事を私の人生を通して見てまいりました。これらの尊い研究が、そのまゝ埋もれてしまうと云う事はないであろうが、世の人々に紹介されないまゝにじっと待っている事は確かである。例えば考古学遺跡の遺物が発見、発掘されるのを待っているのと同じように。私は熱田図書館で個展を開いて戴いた感謝を捧げると共に、この喜びを次の世代の人々にたとえ小さくとも贈ってあげたいと願うからである。名付けて「人間発掘」と。

 集成館は私立(現在は公益財団法人)です。見学者の皆さんが営運の鍵を握っています。見学者であり協力者であり展示者であって戴くようお願い申します。’71年よりは一般社会人の研究家に、この展示室を交代で提供し、社会教育に貢献致したく願っています。

 社会科学、自然科学の研究コレクションをしておられる方々の発表、展示にご利用下さるようお待ちしております。

華麗なる小宇宙・犬山焼名品展
橋本道廣
令和6年5月10日(金)〜8月11日(日)
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古大山焼の創業(今井窯)から明治6年(丸山窯)廃窯まで

  • 創業の今井窯は、奥村氏が犬山の今井に元禄年間開窯と云われているが、現在では宝暦年間であろうと云うのが定説となっている。この窯は、天明2年廃窯となっている。
  • 文化7年、窯主島屋惣九郎が丸山に開窯。その後、文化14年、綿屋太兵衛が引継ぐが、作品がどの様なものであったかは判然としない。当時の文献自体少ないことである。
  • 文政5年、志段味から加藤清蔵来る。文政9年、志段味から加藤虎蔵が来て磁器の焼成を開始したが、天保元年に営業不振からか廃業となる。この頃の作品も決定的なものが見いだせない。
  • 天保元年、加産清蔵が窯主となり、成瀬家らの支援を仰ぎ再興。志段味の松原惣兵衛を招き赤絵の焼成を開始した。天保6年、陶画工の道平が参加。天保9年、成瀬正住が三光御殿において御庭焼を焼かせる。呉須赤絵・色絵雲錦手なども量産に入るのである。嘉永年間に画工。近藤清九郎が参加。また、瀬戸より陶工・川本治兵衛も来ている。幕末は最盛期となる。明治4年の廃藩置県を経て、明治6年頃、丸山窯の廃窯。終焉となる。

華麗なる小宇宙とは

  • 犬山焼は、城主成瀬家の支援と庇護のもとにあり、成瀬家は尾張藩筆頭家老職で三万石を有したことにより、御庭焼と同等の扱いを受けたと推察する。
  • 現在までに伝わった作品は、茶碗・煎茶碗・水指・花入・振出・急須・香合・香爐などの茶道具であった。それらは色鮮やかな倣呉須赤絵と雅な道八焼などの色絵錦手模様を使うことにより、格式のある犬山焼となったのである。成瀬家では陶工に特注指示し贈答品として扱ったのであろう。

出展に際して

  • 平成17年3月、当館様のご協力により初めて出展。今回で2回目です。出展にあたり自身収集品400点の中から選出致しました。地元の犬山焼研究家・小池憲雄氏のご指導とご協力を心よく引受けていただき感謝しております。
  • 今回の選定は、意匠からの分類ではなく、器の形状での分類と致しました。@鉢6、A皿17、B茶道具34、C壷・瓶・花入10、D蓋付茶碗・向付・蓋物12、E盃洗・盃・徳利16、Fその他5の7分類100点選出致しました。
  • 古犬山焼は画工や陶工の努力により、優雅さが出ている。中国赤絵の本科は精緻ものが多いが、古犬山焼は大胆さと素朴な筆致があり、釉薬もたっぷり使用して品格もあり好感が持てる。作品の形状もいろいろな物を造っており、収集していて楽しい焼物である。

犬山焼関連年表(犬山焼研究家・小池憲雄氏作成)

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  • 江戸宝暦年間、今井村(現在の犬山市今井)において、奥村伝三郎が今井窯を築き、焼物を作ったのが始まりです。その後、犬山城主成瀬正寿が文化7年、丸山に開窯、文政年間には、犬山藩お庭焼として発展しました。
  • 作風は、中国明時代の呉州赤絵を手本とする呉州風赤絵(あかえ)、犬山城主成瀬正寿の意匠による光琳風の桜と紅葉を描いた雲錦手(うんきんで)が特徴です。

過去の開催記録

No展示会名展示者開催日
247華麗なる小宇宙・犬山焼名品展橋本道廣2024.5.10〜8.11
246御手洗層のアンモナイトと海生貝類土方康司(東海化石研究会)2024.1.12〜4.7
245着物箪笥の中の小皿・豆皿展八木祥二2023.9.9〜12.10
244世界のアンティークしおり展豊嶋利雄2023.5.12〜8.6
243化石採集20年の記憶嵐順一2023.1.14〜4.8
242「地球スケッチ紀行」原画展川田きし江2023.9.10〜12.4
241松尾コレクション松尾功一2022.5.8〜8.7
240中部地方の化石伊藤隆美・村上彰彦2022.1.15〜4.3
239干潟の貝類・いまむかし日比野史郎2021.9.10〜12.5
238悠久のモンゴル遊牧民〜生活民具展〜川田敏章2021.5.7〜8.8
237未・化石展〜生物のつながりを探して〜森脇徹2021.1.16〜4.4
236日本のアンティークしおり展豊嶋利雄2020.9.12〜12.6
235染付皿展 荒木集成館収集品荒木集成館2020.6.5〜8.9
234魚化石コレクション〜魚たちの進化〜東海化石研究会2020.1.17〜4.5
233装いのコレクション伊藤正孝2019.9.7〜12.8
232深海生物・いまむかし日比野史郎2019.5.11〜8.4
231生命誕生から人類まで牧口貴久2019.1.19〜4.7
230絵馬からみた日本の歴史と伝統〜全国の絵馬約350点大集合〜中島克人2018.9.7〜12.9
229福原稔・第6回切手展福原稔2018.5.11〜8.5
228東海化石展 マダガスカルの自然東海化石研究会2018.1.12〜4.8
227戦後尾張の茶碗展 大石浩士コレクション大石浩士2017.9.3〜12.3
226幸せを呼ぶ福助展鈴木照夫2017.5.7〜8.6
225県の化石(日本地質学会が選考した県の石から)東海化石研究会2017.1.13〜4.9
224貧乏徳利展鈴木照夫・淡河俊之2016.9.9〜12.4
223福原稔・第5回切手展〜公園切手 併設 弁当包紙・箸袋展福原稔2016.5.6〜8.7
222レプリカ(化石模型)の世界東海化石研究会2016.1.15〜4.10
221吟月窯・鈴木照夫作陶展 土と灰釉を楽しむ〜100碗と狛犬・シーサーたち〜鈴木照夫2015.9.11〜12.6
220模型で楽しむ山車 節句の飾り物下地好孝・小倉勝美2015.5.8〜8.9
219中央構造線に伴う化石たち東海化石研究会2015.1.16〜4.5
218福原稔 第4回切手展 年賀切手福原稔2014.9.12〜12.7
217北伊勢山中学校生物クラブOB コレクション展藤正彦ほか2014.5.9〜8.3
216北海道とアンモナイト川辺伸一2014.1.17〜4.6
215犬山焼徳利 百撰展土田晃司2013.9.13〜12.8
214文房四宝展一ノ瀬芳翆2013.5.10〜8.4
213東北の化石東海化石研究会 水野吉昭2013.1.12〜4.14
212銅鏡・日本と中国の鏡 杉村美行収集品杉村美行2012.9.7〜12.9
211近代の藍染・蕎麦猪口(そばちょく)荒木集成館理事長・荒木正直2012.5.11〜8.5
210おまけフィギュアと化石の世界東海化石研究会 水野吉昭2012.1.14〜4.8
209楽しいミニカーの世界荒木正直 ほか2011.9.9〜12.11
208竹内睦・茶陶収集展竹内睦2011.5.7〜8.7
207ジュラ紀のアンモナイト展東海化石研究会2011.1.8〜4.10
206福原稔 第3回切手展 〜1960−70年代の切手〜福原稔2010.9.10〜12.12
205近代尾張の茶碗展 大石浩士コレクション大石浩士2010.5.7〜8.8
204知多半島の深海生物化石東海化石研究会展2010.1.15〜4.11
203お宝コレクション展辰巳・井上・白井・小倉・下地夫妻2009.9.11〜12.13
202美しい世界の貝・共生する貝 名古屋貝類談話会天野正晴・田中利雄2009.8.14〜8.30
201東海道の宿場「鳴海」の古今〜記者の目で見つけた地元の歴史〜淡河俊之2009.5.8〜8.9
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