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模型で楽しむ山車 節句の飾り物
下地好孝・小倉勝美
平成27年5月8日~8月9日


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 今回は古くから人々に愛され親しまれる祭り「山車」、子供の幸せを願う節句の「つり雛」をメインに伝統文化の数々を紹介します。

 全国で親しまれる祭りの主役「山車」に魅了され、見物するだけでは飽きたらず、精巧な山車の模型を製作したいとの思いから、からくり人形から彫刻、大幕の刺繍の細部まで本物に近づけたいと、山車の分解収納にも参加して学んで作りあげた「山車」。また「飾り雛」など、旅先でしか手に入らないお祝いや祭の品々を、全国を訪ねて収集したものです。

 展示にひたりながら、日本に古くから連綿と伝えられてきた伝統ある文化の素晴らしさを感じ堪能していただけたら幸いです。

 下地好孝・小倉勝美



つるし雛

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 つるし雛が始まったのは江戸時代とされます。雛人形はとても高価だったことで、雛人形の代わりに雛まつりに飾られました。家族や親戚、近所の人たちが布を利用して小さな人形をつくり、持ち寄って吊り下げる飾りを作りました。みんなの想いをいっぱい詰め込んだ「つるし雛」。赤ちゃんの大事なお守りとしてとても大切にされました。

 つるし雛は「衣食住に困らないように」との願いが込められており、動物や花、衣服、遊び道具、野菜などいろいろで、それぞれに意味といわれがあります。たとえば「犬」はお産が軽いので「子宝・安産・健康」に恵まれるように。また、子守り・厄除けにといいます。「這い子人形」は赤ちゃんが「はいはい」している姿で「はいはい」をたくさんして元気に丈夫に育つように。「花」は花のように可愛く育ちますようにとされ、縁起のいい紅梅・白梅を表現したものも多く、吊るされた人形の間に配置されるなど「つるし雛」をより華やかに演出しています。そのほかにも蛤・鶏・春駒・人参・ほうずき・鳩・苺・羽子板などがあり、唐辛子は可愛い娘とお雛様に悪い虫がつかないようにとの意味があります。静岡県では「雛のつるし飾り」。福岡県では「さげもん」。

 山形県では「傘福」と呼ばれ親しまれています。

山車

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 山車(だし)は、お祭りのときに「出し物」として曳く、花や人形など豪華な装飾でさまざまに飾りを施した屋台の総称です。関東では「山車」、関西では「壇尻・車楽(だんじり」」や「山(やま)」などと呼んでいます。そのほか全国には曳山、山鉾、山笠、屋台など、呼称や形式が異なるいろいろな形の山車があります。東海地方は山車の宝庫として全国に知られていますが、中でもからくり人形を乗せた山車は愛知県に集中しています。2005年の愛・地球博には県内のからくり山車百輌が勢揃いしました。

 山車の語源

 神を招き寄せるために出す「出し物」とする説と、屋台の鉾に付けた竹籠の編み残しを垂れ下げてあり、その部分を「だし」と言ったことに由来するという説があります。「だし」を「山車」と書くのは当て字で、祭礼のときに、神の降りる「依代」として小さな山を作っていたものが発展し、移動可能な車となったことから「山車」の字が当てられたと考えられています。

 展示品抜粋

 山車

 亀崎潮干祭り・力神車・神楽車 秩父夜祭・本町屋台・下郷傘鉾 尾張西枇杷島祭り・王義之車・掬水鉾・船鉾

 祝い飾り

 柳川さげもん 七夕人形 沖縄五月かざり 琉球玩具・鯉乗人形 津山ねり天神子供かぶき

名古屋市東区の山車祭り 西之切奉賛会「鹿子神車」模型小倉勝美製作

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 若宮八幡社祭礼車として曳かれていた山車を、1810(文化7)年に西之切が住吉町(現中区栄3)から譲り受けたとされています。小さな唐子人形が逆立ちして小太鼓を打ち鳴らし、もう一体の大きい唐子人形が団扇太鼓を乱打しながら左右に飛び回るのを見て、軍配を高々と上げる大将人形の姿が勇壮なからくり山車です。