Araki Syuseikan Museum | 〒468-0014 名古屋市天白区中平5-616 |
窯業が盛んな尾張地方尾張地方は太古の昔より窯業が盛んであり、六古窯と呼ばれる古窯が瀬戸・常滑と二ヶ所もあり、連綿と伝統・文化・技術を伝承して今日に至っております。また尾張の中心、名古屋においても江戸中期頃より地理的影響や茶どころとしての需要からか、数多くの窯が築かれ炎煙が上がっておりました。 江戸後期から明治この様に長い尾張陶史の中において江戸後期から明治にかけては、ある意味で画期的な時期であったと思います。それまでは単なる窯場の陶工が他分野との美術・文化と接点を持ち、たとえば僧侶・南画家・茶人など文化人との融合により作家という概念が生まれ、製品を自分の作だと自己顕示する様になり、作品に印銘・彫銘を施し更には箱書をする様になってきました。現代作家では当たり前のことが、この時期から盛んになり定着してきました。 明治から昭和初期また、明治から昭和初期は日清・日露戦争、満州事変、そして大東亜戦争と激動の時代であり、産業面に対する思想的・経済的な統制や「マル技」への材料配給、やがての燃料・原料不足など、窯屋・陶工にとって現在とは比較できないほど不遇な時期であったと思います。その様な状況下で更に文人・書家・南画家などとの合作を進化させ「農展」「帝展」への出展や美術陶芸集団などを結成し、芸術性を高めていった先人たちには感服します。 |
戦争で多くを失うしかし残念ながら先の戦火により、かなりの作品・資料等また名古屋の窯場にいたっては、その大多数が焼失してしまいました。 共蓋とともに展示さて今回はその当時の窯場・作家たちの茶碗を、ほとんど共蓋・識蓋と一緒に展示します。先達方から受継いだ地域文化に敬意を払い次世代へ継承したい祈りを込め、現在忘れ去られようとしている尾張の先人たちの息吹を感じ、再認、再考してもらえれば幸いです。 謝辞最後に、名古屋開府400年にこの様な展示の開催に御協力いただいた、荒木集成館に心より感謝いたします。 大石浩士 |
1 | 加藤春厚 | 無印 平沢九朗識箱 | 江戸 | 瀬戸 |
2 | 加藤春岱 | 春岱楕円印 加藤春仙識箱 | 江戸-明治 | 瀬戸 |
3 | 初代加藤春花 | 春花楕円印 共箱 | 江戸-明治 | 瀬戸 |
4 | 加藤五郎八 | 五郎八彫銘 共箱 | 江戸-明治 | 瀬戸 |
5 | 加藤素雪 | 素雪造彫銘 素雪楕円印 加藤柏堂識箱 | 江戸-明治 | 瀬戸 |
6 | 加藤五助 | 陶玉園五助染銘 加藤柏堂識箱 | 明治-大正 | 瀬戸 |
7 | 二代加藤作助 | 花押 古瀬戸窯 春仙印 彫銘 共箱 | 明治-大正 | 瀬戸 |
8 | 初代加藤春二 | 葵印 共箱 己未(大正8年) | 明治-大正 | 瀬戸 |
9 | 二十八世加藤唐三郎 | 陶仙印 共箱 | 明治-大正 | 瀬戸 |
10 | 初代水野寿山 | 寿山丸印 共箱 | 明治-大正 | 瀬戸 |
11 | 加藤麦袋 | 麦袋楕円印 共箱 | 明治-昭和 | 瀬戸 |
12 | 伊勢門水 | 花押 麦袋彫銘 古稀印 共箱 | 明治-昭和 | 瀬戸 |
13 | 松岡寛慶 | 渇山花押 米山(京次郎)丸印 共箱 | 明治-昭和 | 瀬戸 |
14 | 七代加藤春暁 | 春日窯印 春暁彫銘 共箱 小林松僊画 | 大正-昭和 | 瀬戸 |
15 | 四代伊奈長三 | 長三丸印 共箱 | 江戸-大正 | 常滑 |
16 | 二代杉江寿門 | 寿門彫銘 共箱 | 明治-大正 | 常滑 |
17 | 水川玉斎 | 玉斎丸印 共箱 | 明治-昭和 | 常滑 |
18 | 瀧田椿溪 | 古稀 椿溪造彫銘 共箱 | 明治-昭和 | 常滑 |
19 | 富本梅月 | 梅月造彫銘 共箱 | 明治-昭和 | 常滑 |
20 | 松本重信 | 重信造彫銘 共箱 山本石荘画 | 明治-昭和 | 常滑 |
21 | 二代片岡二光 | 二光楕円印 共箱 | 明治-昭和 | 常滑 |
22 | 初代井上素三 | 不識庵印 共箱 | 明治-昭和 | 常滑 |
23 | 二代磯村白斎 | 白斎菱形印 共箱 | 大正-昭和 | 常滑 |
24 | 初代不二見焼 | 不二山人染銘 三代識箱 | 江戸-明治 | 名古屋 |
25 | 四代不二見焼 | ふ二印 共箱 | 明治-昭和 | 名古屋 |
26 | 伝風花翁 | 痴犬?四角印 時代箱 | 江戸-明治 | 名古屋 |
27 | 夜寒焼 | 夜寒印 共箱 | 明治-大正 | 名古屋 |
28 | 嘉楽焼 | 嘉楽印 共箱 | 明治-昭和 | 名古屋 |
29 | 奥村恭法 | 六代豊楽丸印 共箱 | 明治-大正 | 名古屋 |
30 | 八代豊楽焼 | 豊楽丸印 共箱 | 大正 | 名古屋 |
31 | 三代笹島焼 | 笹島印 共箱 一江芳秋画 甲寅(大正3年) | 大正 | 名古屋 |
32 | 加藤石春 | 石春四角印 共箱 | 大正-昭和 | 名古屋 |
33 | 横井米禽 | 米禽丸印 共箱 石河有粼画 | 大正-昭和 | 名古屋 |
34 | 鶴舞焼 | 山古印 共箱 朝見香城画 | 大正-昭和 | 名古屋 |
35 | 住田智見 | 閑凡夫銘山古印 共箱 | 大正-昭和 | 名古屋 |
36 | 初代中村道年 | 道年丸印 共箱 | 大正-昭和 | 名古屋 |
37 | 月谷焼 | 月谷印 共箱 | 大正-昭和 | 名古屋 |
38 | 楽々焼 | 多年瓢箪印 共箱 | 昭和 | 名古屋 |
39 | 大橋秋二 | 秋二造彫銘 初代加藤春二識箱 | 江戸 | 津島 |
40 | 三代尾関作十郎 | 三世犬山丸印 共箱 | 明治-大正 | 犬山 |