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近代の藍染・蕎麦猪口(そばちょく)
平成24年5月11日~8月5日
荒木集成館の収集品を展示します。


0   猪口(ちょく)は近年蕎麦猪口として人々に親しまれていますが、江戸時代の書物『守貞漫稿』には「猪口には、あえもの等をもる」と書かれています。また、弘化5(1848)に書かれた庄屋の結納献立の控えには、猪口に「しそ、うど、みつば、だいこん」との記載があり、蕎麦つゆの器でなかったことがわかります。同時代の祝膳には、皿などとともに猪口がほとんど描かれています。絵柄などから見ても、松竹梅など吉祥文様も多く、向付用に作られて利用されていたものが、持ちやすい大きさで蕎麦のつゆ入れに適していたことから、蕎麦に利用されるようになったのでしょう。蕎麦猪口には縁反筒型・椀型・縁反小碗型・桶型・六角形・長筒型・半筒型など様々な形の陶磁器ほか木製もあります。今回の展示は、荒木集成館収蔵品を展示することで木製は除きました。

 荒木集成館理事長・荒木正直