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タイトル

 美しい世界の貝・共生する貝

開催期間

 2009年(平成21年)8月14日〜8月30日

主催者

 名古屋貝類談話会 天野正晴・田中利雄

 ホームページ:http://www002.upp.so-net.ne.jp/aruki-ki/danwa/

はじめに

 現代人は、電子機器を中心とした人工物に取り囲まれ、ついつい自然の造形物の美しさを忘れがちです。ここに世界の貝を展示し、その美しさを知っていただくとともに、貝がウニやヒトデなど他の生き物と共に生きる、共生する生物同士の関わりについても知っていただきたいと思うものです。

 8月28日〜8月30日の3日間は「貝類何でも質問コーナー」を開設します。質問をお待ちしています。

貝貝
ハナビラダカラ キイロダカラ マクラガイ類ベニガイ(三河湾)
貝貝
イジンノユメ(オーストラリア)アカマイマイ(スリランカ)

貝の魅力(その1・永続性)

 誰しも、昔親に連れて行ってもらった浜辺で貝殻を拾い、家に持ち帰った記憶があるかと思います。それらは引出しの奥にしまい込まれ忘れられるかもしれません。しかし何年後でも、再び見出だされた時、当時と同じ姿で現れてくれます。腐りもせずボロボロにもならない、この永続性こそが貝の魅力の第一かと思います。

貝の魅力(その2・構造の美)

 オウムガイやクルマガイの螺旋の美しさ、あるいはバベルの塔にそっくりなチマキボラ。また鋭い刺で重武装したホネガイ・アッキガイ、突起を四方八方に伸ばし、貝とは思えない程奇抜なスイジガイ、サソリガイなど、貝殻はその天然自然の造形の妙で、私たちを魅了します。

共生する貝

 貝にはヒトデやナマコ、ウニなどと共生するのもあります。ヒトデにはアカヒトデヤドリニナ、ナマコにはセトモノガイ類、ウニにはガンガゼヤドリニナなどが共生します。また、各種の二枚貝の内部にはヤドリガニ、カイヤドリウミグモが共生するなど、貝は多くの生き物とつながり合いながら生きています。

貝と人間とのつながり

 貝は殻が石灰質で出来ているため、化石として残りやすい性質を持っています。古代に栄えたアンモナイトやオウムガイの化石は、その地質の年代測定に欠かせないものだし、また時にその巨大さで私たちを圧倒します。

 古代の貝類の姿を今に色濃く伝える、生きた化石といわれるものには、現生オウムガイ数種やオキナエビス類があります。

カタツムリ類

 アフリカや中南米にはびっくりするほど大きかったり、また美しいカタツムリがいます。ここ東海地方にもイセノナミマイマイやオオギセルなどいろいろなカタツムリがいます。

ハマグリ類

 昔はたくさんいた日本古来のハマグリも、埋立てなどで生息環境がせばまるなど、今は貴重品となってしまいました。高級碁石の白石はチョウセンハマグリから作られます。

ウミギク類

 ウミギクはカキのように岩に付く二枚貝ですが、美しい色彩と鋭い刺とで収集家にとって喜ばれています。知多半島でもこの仲間のチリボタンが採れます。

イタヤガイ類

 この仲間はヒオウギを始め美しい模様や色彩で、人気のある貝です。ヒオウギは赤や紫や黄色などいろいろ色彩の変化に富み、見ていてもあきません。

生きている化石と、化石

 オウムガイやオキナエビスは、その形質が太古から余り変化がなく生きた化石と呼ばれます。またアンモナイトの化石の中には真珠層が虹色に輝くようなものもあります。

貝に似た生き物

 ホウズキガイやイガグリガイ、シャミセンガイなど、貝と名が付いても貝とは限りません。また、ウニやタコノマクラなども貝とは別の生き物です。

貝を使った装飾品

 貝はその美しさ、堅牢さなどで多くの装飾品に使われます。韓国では、螺鈿を使ったタンスや小箱の製作が盛んです。貝を使ったペンダントやブローチは女性に人気です。

 アコヤガイやマベ、クロチョウガイなどを使った真珠養殖は、伊勢志摩など日本各地で盛んに行われています。